タイルの分類

タイルには「素地の性質による分類」と「用途による分類」があります。

用途による分類

モザイクタイル

モザイクタイルは、内装タイルや外装タイルなどのように分類されたものではなく、陶片の表面積が50㎝2以下のもので複数のタイルをひとつにまとめたユニット化されて流通しているものをいいます。
”石・ガラス・貝殻などの小片を膠着させ密集させて装飾効果をあげたもので、装身具や建物の床、壁、天井、柱などに施されるもの”をモザイクと言っていました。そのため施工しやすいように数十枚のタイルを一つにまとめてユニット化されていました。近年、内装タイルや外装タイルも同じようにユニット化されるようになり、区別しにくくなったため、陶片の大きさで区別するようになりました。
ユニットの形状は300㎜×300㎜の正方形が基本ですが、他に円形や長方形などさまざまな形状があります。ユニットの中に決まった大きさのタイルを並べたり、小さい四角や丸い形のもので敷き詰めたり、いろんな寸法のタイルを組み合わせたりしています。
モザイクタイル 外装に用いられる場合の形状は、45角(50㎜×50㎜)、45二丁(50㎜×100㎜)が主ですが、内装や床にはさまざまな形状のものが用いられます。
モザイクタイルに用いられるタイルは、ほとんどが外装タイルと同じ性質と素地のものを使っています。また、無釉の中には、床タイルと同じものを使う場合があります。

床タイル

床に用いられるタイルは、外装タイルと同じ「耐候性」や「低い吸水性」などの他に、「滑りにくく歩きやすいこと」「耐摩耗性」「耐衝撃性」に優れていることや汚れた場合に、簡単に汚れが落とせることが求められます。特に駅や歩道などの公共施設には高い「摩耗性」が求められます。
釉を施したもの(施釉・せゆう)と施していないもの(無釉・むゆう)がありますが、無釉の方が滑りにくく、 床タイル 素地自体に色をつけているため、摩耗しても色の変化が少ないのが特徴です。そのため、公共施設や人通りの多い歩道、公園などに用いられます。施釉のものは、色の種類が多く、汚れにくく、掃除がしやすいため、住宅や店舗の床に用いられます。
原料や製法は、外装タイルとほとんど同じです。形状は外装タイルより大きく、正方形をしたものが多く用いられます。

内装タイル

内装タイルは、建物の中側に張られる内装用のタイルのことをいいます。内装タイル主にせっ器質や陶器質のものが多くありますが、寒冷地の凍害防止用として磁器質のものも作られています。
内装タイルは、デザイン性は種類(カラーバリエーション)が多いのは勿論のこと、機能性も重要視されています。当然、外装タイルより近くで見られるものですので、1枚1枚の寸法精度の高さが要求されています。

外装タイル

外装タイルには、建物の外側に張られるためのタイルです。 そのため、凍害を防止するために、素地の性質で吸水率が低い「せっ器質」や「陶器質」のものが用いられます。
素地の原料は、主に長石が使われます。その他に、強度を保つための粘土や歪み、亀裂をなくすために陶石や珪石が使われます。
長石は、約1,100℃付近で溶融しガラス状になります。これらの成分を取り込んで隙間を埋めるため、吸水率を少なくする事が出来ます。
外装タイルは、建物の外観を決めるものですから、タイルの色むらを少なくする事が大切です。タイルの色は、素地や釉薬に含まれる酸化金属が、焼成温度や焼成方法に応じてさまざまに反応、呈色することで、とても幅広いものが得られます。反面、安定して呈色することは、金属酸化物の量や質など、素地の状態、焼成温度、方法によって大きく左右されるということです。
私たちは、タイルの色を安定して呈色させるために、原料の品質管理を徹底し、 外装タイル 焼成温度と焼成方法を考慮した最適な配合の素地を、安定して供給することに努めています。
タイルの形状には、小口平や二丁掛などの大きさの長方形が主なものです。また、建物の出隅や入隅部分などの役物や納まりのための形状のものがあり、更には、建物の形状に合わせたさまざまな形状があります。

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